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No.080 ■「耳が不自由な人」と「ろう者」

 だいぶ前の話になるが、所用があって北九州に向かったときのこと。私はマイレージの関係でJAL(日本航空)をよく利用している。だが、先日は先方の都合により、新参航空会社のひとつであるスターフライヤーに搭乗することになった。

(スターフライヤーのことを『星を揚げる人』と思ったのは私だけ? このフライヤーは、flyerのほうで、fryerではないのね…)

スターフライヤーのチェックインコーナーで搭乗券を発行してもらったときのこと。カウンターの受付員が「大変、失礼ですが、お耳が…」と書いているのが上から見えたので、「ろう者です」と書いてみせた。すると、メモを読んだ受付員は「初めて見た!」といわんばかりの顔をしながら、「耳が不自由な人のことですよね」と言いたげに自分の耳を指さしてきた。

「ろう者」という語を聞き慣れていない人がこの世にはたくさんいるのだ…ということを再認識した。

「ろう者」のことを「蝋人形」「老人」のことと聞き違える人もいるし、「ろう協会」に至っては「老人の協会」や「老人のための教会」、ひどいのになると「蝋に関する協会」と勘違いする人もいる。

スターフライヤーだけの問題ではない。どの航空会社にも共通していえることだが、ろう者のことを「耳が不自由な人」として捉え、「聞こえに問題がある人々」というマイナスの見方を持ったまま、サービス業に従事していることになっている。「手話を第一言語として話す人々」という発想はまったくないようだ。

ちなみに、JALでは「簡易筆談ボード:耳や言葉の不自由なお客さまのために機内に簡易筆談ボードをご用意いたしました。」とウェブサイトに書かれてある。

ANA(全日空)のウェブサイトでは、一例として「ご予約の際には、下記の内容をお知らせください。・聴導犬をお連れですか?・緊急時などのお知らせがございますので、あらかじめお耳が不自由な旨をお知らせください。」がある。

かろうじて及第点をあげられるのは、意外にスターフライヤー。「盲導犬、聴導犬、介助犬をお連れのお客様:無料で機内にお連れいただけますので、ご予約時にお知らせください。」

聴導犬に関しては、ANAやJALが「耳の不自由な方へ」となっているのに対し、スターフライヤーは「聴導犬をお連れのお客様」と表現している。

些細なことかもしれないがそういったことは大事である。

耳の聞こえの問題に着目した表現でなく、例えば、「手話で話される方」「補聴器をご利用の方」「聴導犬をご利用の方」という言い方にしてもらいたい。

ちなみにどの航空会社でも、チェックインするたびに最後に決まっていわれる言葉がある。「何かお手伝いできることはありませんか?」だ。たぶん、マニュアルにそう書かれてあるのだろう。

先日搭乗したときのこと。いたずら心が出てきて、「手伝えることって例えば?」と書いてみたところ、「優先案内や点字サービスなどがあります」と、これ、マニュアル通り?に答えてきた。

マニュアル通りに対応するのは誰にでもできること。通訳業にもいえることだが、相手に応じて確実なサービスのできる人って意外に少ないのね。

(2007年4月9日発行)

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ろう者の言語・文化・教育を考える(No.068~)」カテゴリの記事

コメント

初めまして☆
22歳・Deafのkumikoデス。


ずっと読んでましたが初めてコメントします(^-^)


確かに、聴者が、ろう者の言葉の認知度は低いと思いマス。


表示を害→がい。に変わっても、人々の意識が変わらないと…意味ないですよね(^^;


ろう者の1人として、もっと知ってもらえる努力必要と改めて思いマシタ☆

投稿 kumiko | 2007/04/18 23:47

JALにはろう者や難聴者が職員たくさんいるのにね
でも事務系というか、裏方だから聴者職員にはその辺り上手く伝わってないのかなぁ?
読んでて思いました。。

投稿 イキ☆ | 2007/04/18 17:49

JALにはろう者や難聴者が職員たくさんいるのにね
でも事務系というか、裏方だから聴者職員にはその辺り上手く伝わってないのかなぁ?
読んでて思いました。。

投稿 イキ☆ | 2007/04/18 17:48

うちのとこも、ろう者という言葉は失礼に当たるようです。俺が「ろう者は…」というと言っていいの?と目を丸くして見られます。死語になった「つんぼ」と似ているようなもんでしょうかね?更に「聴覚障害者」も失礼だと思う人がにわかに広がっています。なぜなら、「害」がついているからなのだそうです。ですので、わざわざ「聴覚障がい者」に換えているそうです。大きなお世話ですね。それと、ANAやJALなどについては、大きな会社それとも歴史の長い会社になるほど、サービスしすぎといいますか、その精神がうまれているように感じています。東京ディズニーランドでも、オープンしたばかりの頃は外国人扱いの感じで良かったけれど、今は障害扱いされていますね。(--;

投稿 HunteЯ | 2007/04/17 16:33

考えさせられます。
「耳の不自由な方」との表現はあながち悪くありません。ただちょっと懸念しているのは、耳が不自由でも話せるとの先入観を持っている人がいることです。

例えばお店で私が「私はろう者です。」と言っても相手はなり構わず、健常者のように話してくる。。。ああ・・・まだバリアフリーという社会に近づいてない感がありますね。理解ある人もいるはいるんですけどね。^^;

ろう者という定義を聴者にもはっきりと知って頂きたいものですね。

投稿 はるまっく | 2007/04/17 12:02

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